『この世界の(さらにいくつもの)片隅に 公式アートブック さらにいくつもの増補』(宝島社)に原稿を書きました。こちらは2016年9月に刊行された『この世界の片隅に 公式アートブック』の増補・改訂版です。

前回の『公式アートブック』の記事はこちら。


今回の増補・改訂部分での担当分は以下のとおりです。
(順番はページ順)
・こうの先生×片渕監督の対談
・「背景美術」考察(片渕監督および林美術監督)
・のんさんインタビュー
・片渕監督インタビュー
・戦時中にあった市井の暮らし
・林孝輔氏(美術監督)インタビュー
・新谷真弓さん(声優・方言指導)インタビュー
 その他もろもろ……。


前回の『公式アートブック』は2016年9月刊行なので、実質的な作業としては同年7月から8月にかけて。もう少し具体的に言うと、主演声優(のんさん)がまだ発表される前であり、その時点ではまだ映画は当然ながら完成しておらず、掲載できる映画の画面写真も限られていました。もともと前回の『公式アートブック』は、呉市立美術館での企画展(全原画展示)の図録としての側面もあったので、原作(の映画でも描かれる部分)に重心を置いたつくりになっており、それに対して今回の『さらにいくつものアートブック』では、もう少し“映画の”アートブックとしての性格を強めることができたんじゃないでしょうか。
個人的には、新谷さんと林さんのインタビューのおかげで、映画の制作過程をより立体的にとらえられるようになったと思います。
また、のんさんのインタビューと「すず」さんのアートギャラリーのコーナーをあわせて読むことで、あらためて右手の存在(とそれを劇中で失うこと)に思いを馳せてもらいたいな、と。
とてもボリュームのある、いい本にしてもらえたなと編集サイドに感謝しています。


※追記