新興勢力、セネガル

6月25日に日本代表の第2戦の相手として対戦するのがセネガルだ。
セネガル代表はアフリカ予選D組を1位で通過し、4大会ぶり2度目の出場を決めた。
前回の出場時は2002年の日韓共催W杯。
オープニングゲームで前回(98年フランス大会)覇者のフランスに1-0で勝利し、
世界中を驚かせたことを鮮烈に覚えている。
かつての植民地時代の宗主国に勝利したことも、ひとつの物語として広く人口に膾炙した。
セネガル代表は勢いに乗じてベスト8まで進出し、そこでトルコに敗れた。

セネガル代表のチームは、
いま連載中の『キャプテン翼 ライジングサン』にも登場する。

『キャプテン翼 ライジングサン』は、五輪(マドリッド大会)が舞台となる。
主人公の大空翼はU-23日本代表として戦う。
本大会のグループステージでは、U-23セネガル代表はU-23ドイツ代表と対戦。“皇帝”カール・ハインツ・シュナイダーにハットトリックを食らい0-3で敗北した(4巻)。

一般認知度は低いかもしれないが、
サッカーファンのあいだでは注目度の高い国なのである。

首都ダカールとフィクション

セネガルはアフリカ大陸の最西端に位置する。
首都はダカールだ。
かつてダカール‐トゥールーズ間の飛行士となったサン・テグジュペリは、のちに『星の王子さま』のなかでバオバブの木を出している。

バオバブはセネガルのシンボルともいえる木なので、ダカールでの見聞が作品に活かされているわけだ。なお、ダカールは、かつてはパリ‐ダカールラリーのゴール地点に設定されていた。しかし、現在ではダカールラリーは南米で開催されるようになっている。

フィクションの中でのダカールといえば、
『機動戦士Zガンダム』がもっとも有名だろうか。

『機動戦士Zガンダム』の世界では、ダカールは地球連邦政府の首都になっている。
クワトロ・バジーナの偽名を使って反地球連邦組織(エゥーゴ)に加担していたシャア・アズナブルは、ダカールの連邦議会を占拠し、地球連邦軍の特殊部隊(ティターンズ)の横暴を告発した(第37話「ダカールの日」)。このシャアの演説をめぐって市街戦が起き、ダカールは戦場と化す。

のちにシャアはジオン残党を指揮して反乱を起こす(『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』)。
その反乱から3年後(初代『機動戦士ガンダム』から17年後)の世界を描いたのが、『機動戦士ガンダムUC』だ。いまお台場に実物大の立像が立っているので、名前を聞いたことのある人も多いことと思う。

(※原作は福井晴敏の小説。OVAを経てテレビシリーズ化したのが『ユニコーン RE:0096』)

マンガ版に登場するマハディ

『機動戦士ガンダムUC』のマンガ版が『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』だ。
主人公バナージはユニコーンガンダムに搭乗し、やがて地球に降下する。その場所が西サハラ砂漠であり、そこからバナージたち一行は、連邦政府の首都ダカールを目指すことになる。
ダカールでは「ドバイの末裔」ことマハディ・ガーベイと接触。ダカール制圧のために彼らと一時的に共同戦線を張るが、マハディが私怨のために連邦政府への攻撃をはじめ、ダカールは火の海と化すのであった。

このマハディはアニメ版には登場しないキャラクターだが、『バンデシネ』には原作小説と同様に登場する(8~9巻)。マハディの役回りは「地球連邦政府に踏みにじられた民」の代表であり、それは自治権を求めて独立戦争を仕掛けたジオン公国にも相通じる部分がある。
それは大国の単独行動主義(ユニラテラリズム)に翻弄される現代のアジアやアフリカの諸国にもオーバーラップするものだ。
弾圧と抵抗、制裁とテロリズム。
昨今のシリア情勢を鑑みても、きわめて現代的なテーマといえるだろう。